==唐辛子==
ナス科トウガラシ属で、世界中に500種以上の品種があります、お馴染みのピーマンもその仲間です。原産地は中南米。その歴史は古く、紀元前6000年には既に栽培されていたそうです。コロンブスが中南米からスペインに持ち込み、その後200年あまりの間に急速に世界中に広まりました。
唐辛子は大きく分けて辛味の強い品種と辛味の少ない品種の二つに分れます。
辛味の強い品種では、主に乾燥させてから香辛料として使いわれる赤唐辛子(鷹の爪)この赤唐辛子の中の種はとても辛いので、抜いて使います。カレーの辛みも赤唐辛子のおかげです。 この赤唐辛子の未熟果が青唐辛子です。 その他、主に中南米で栽培されている緑色のハラペーニョ、世界一辛いと言われている、見た目は丸くて
可愛らしいハバネロなどがあります。
そして辛味の少ない品種では、青い未熟果を食用にする獅子の鼻に似た形の獅子唐辛子、京都の伏見で栽培された伏見甘などがあります。
唐辛子の辛味の主成分はカプサイシンです。このカプサイシンには、血行を良くして食欲を増進させ、エネルギー代謝を促進させて発汗を促す作用がありますので、ダイエットにも効果がある訳です。 又、発汗によって体温が下がるので、暑さのきびしい地域では好まれるのでしょうか。しかしながら刺激が強いために、胃腸の弱い体質の方や痔を患ってらっしゃる方は控えた方がよいでしょう。
==大蒜==
==大蒜==
原産地は中央アジアのユリ科ネギ属の多年草植物です。日本では主に青森県で生産されています。
その大蒜のパワーの秘密は香り成分のアリシンです。アリシンは、大蒜の細胞が破れることで出る、アリナーゼという酵素が、アリインという物質を分解することで発生します。そのため、細胞を傷付けずにそのまま加熱処理することで、アリナーゼを不活性化すれば、強い香りは抑えられます。しかしアリシンはビタミンB1の吸収を促進し、又強い殺菌作用がありますからそうするのも勿体ないですね。その他ビタミンB1が豊富で、カリウム、カルシウム、ビタミンCなども豊富に含まれます。大蒜には、胃腸の働きを促す作用や利尿効果、強壮作用、血栓予防や血圧安定などの効果もありますが、日本やヨーロッパで「魔よけ」として民家の戸口に大蒜をつるして使われています。昔は悪魔などの仕業とされていた病から、大蒜の薬効や殺菌作用を使って、家族を守るという意味があったのでしょうか。
大蒜は中国から日本に伝えられ、「古事記」や「医心方」など古い書物にも登場する程歴史は古いのですが、最初は薬として用いられ、中国・イタリア・韓国などの料理が普及するにつれてその消費量が増えてきました。又、仏教では、大蒜などのネギ属の食物は精力がつき過ぎて修行の妨げになるために、禅宗の山門には「不許葷
酒入山門」という札が掲げられ、大蒜などのネギ属の食物や酒が山門に入るのを禁じられています。
乾燥させた貯蔵球が一年中出回っていますが、新大蒜の収穫は5〜7月です。選ぶポイントは、傷や汚れ、カビのないものを選びましょう。
==人参==
==人参==
セリ科ニンジン属の植物です。
原産地はアフガニスタン山岳地帯。日本には中国から伝わり、江戸時代に広まったようです。
最初は「胡蘿蔔:コロッボー」と呼ばれていたようですが、日本で古くから薬用として用いられていた「朝鮮人参」と似ていたのでその後「人参」と呼ばれるようになったそうです。ちなみに「人参」とは、人に似たものという意味だそうです。
にんじんはアジア型とヨーロッパ型に大きく分かれます。
アジア型は形が長くてトマトと同じリコピンを多く含むために赤色が強く、柔らかいのが特徴です。長さも60cm以上もある「滝野川大長」や一般に「京にんじん」と呼ばれ長さは30cm程になる「金時」、沖縄特産の「琉球にんじん」などがあります。一方、現在出回っているもののほとんどがヨーロッパ型です。甘くてもカロチンが豊富で栽培しやすいのが特徴です。長さが15cm程の「五寸にんじん」、長さが60cm以上にもなる「国分大長」、香りが少なくずん胴型の「ナンテス」、長さ7cm位の「ミニキャロット」などがあります。人参はカロチンがとても豊富です。このカロチンは油に溶ける脂溶性ビタミンで、油で炒めたり、ドレッシングをかけるなど油と一緒に取ることで吸収率が高くなります。その他、食物繊維、ビタミンB・C、鉄分やカリウム、カルシウムなどのミネラルや食物繊維も多く含みます。又、人参の葉にはビタミンA、タンパク質、カルシウム、脂質、鉄分、ビタミンCなどが豊富に含まれています。
生のにんじんにはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が入っているので、その酵素の働きを押さえるためにゆでたり、炒めたりして熱を加えるか、酢と合わせると良いそうです。しかし酢を加えぎるとカロチンを破壊するので注意しましょう。免疫力や抵抗力を高めるカロチンは皮の付近に多く含まれていますから、包丁の刃を立ててガリガリするなどして、薄く皮をむく事が大切です。
旬は11月〜12月ですが、季節に応じて様々な品種が出回ります。選ぶポイントは色が濃くあざやかなものを選びましょう。又、切り落とした茎の部分が細いもの、茎の周囲が青かったり黒ずんでいないものがよいでしょう。