==牛乳==
人間が動物の乳を飲むようになってから、既に1万年が経過しているということですから驚きです。牛乳というとカルシウムが豊富な飲み物というイメージがありますね。カルシウムは丈夫な骨や歯を作り、免疫機能を高め、神経の伝達を正常に保つ効果があり、イラ
イラ防止にも役立ちます。又、ミルクは睡眠を促す作用のある話題の『セロトニン』の生成を高めるため、温めたミルクを飲んでから眠ることで、安眠が期待できると言われています。
そして牛乳にはタンパク質が豊富です。そのほとんどが『カゼイン』というタンパク質であり、チーズの主成分でもあります。それから牛乳の脂質は『乳脂肪』といわれます。とても小さな『脂肪球』という形態で存在するために、消化吸収がとても良いということです。ほっとさせてくれるほのかな牛乳の甘味成分である『乳糖』は、子供の脳細胞の発達を促し、カルシウムの吸収を助け、更に整腸作用もあるそうです。牛乳にはその他ビタミンA・B2・Eなども豊富に含まれています。
一般的に『牛乳』とは、『生乳』を熱殺菌しただけのもののことを指し、法律によって、牛乳の成分は無脂乳固形分が8%以上、乳脂肪分が3%以上とされています。牛乳という表示のない『加工乳』とは、生乳にバターや生クリームや脱脂粉乳などを加えたもので、無脂乳固形分や乳脂肪分の比率によって、「濃厚」などの表示のある濃厚型と『ローファット』などの表示のある低脂肪型に分れます。その他『生乳』や『加工乳』にコーヒーや果汁を加えた『乳飲料』と呼ばれるものもありますね。
==チンゲン菜( 青梗葉)==
==チンゲン菜( 青梗葉)==
アブラナ科の植物で、原産地は地中海性沿岸の高原地帯です。その後中国に渡り、1970年代の日中の交流が活発化した頃に日本にやってきたようです。一年を通して栽培しやすいことから、現在では日本中に広まって、日本各地で栽培されています。
クセがなく灰汁が少なくて生でも食べられますが、油と一緒に調理することで栄養の吸収が促進されます。一年中安定して供給されていますが、寒い時期に収穫されたチンゲン菜は、甘味も増して美味しいものです。
栄養のほうはビタミンAやC、ベータカロチン、鉄分、葉酸、食物繊維が豊富で、カリウム、カルシウム、ナトリウムなどのアルカリ性ミネラルが多く含まれ、それが胃酸を中和するために、胃のもたれに効くということです。また、美肌効果、貧血予防、高血圧、動脈硬化予防、利尿効果、便秘予防、ストレス解消、骨粗鬆症予防、などの効果もあります。更にイソチオシアネートという抗がん作用のある物質も含まれています。
選ぶときは、葉の緑色が濃く鮮やかで、厚みとはりのあるものを選びましょう。
==山芋==
==山芋==
山芋は大きく分けて4種類に分けられます。
現在もっとも多く流通している『長芋』は、中国が原産地。長い棒状で、水分が多く粘りが少なく、とろろにはあまり向きませんが、千切りにしてシャキシャキとした歯触りを活かした料理に使われます。
『大和芋』は掌の様な形で、なめらかで粘りが強く、とろろにむいています。
『捏芋』は主に関西で流通しており、こぶしの様な形をしていて味が濃く、とても粘りが強い山芋です。
『自然生』は、日本原産の品種で、日本の山野に広く自生します。縄文時代から食用にされていたそうで、長さは1m程にもなり、芋が土の中の石などを避けて曲がり伸び掘り出すのは一苦労、更に収穫できるまでに3年以上かかります。そのため市場にはあまり出て来ず高価なものでしたが、最近では畑のパイプの中でまっすぐに栽
培されたものが売り出されるようにもなりました。 その形や滋養強壮作用から、別名「山うなぎ」といわれておりました。
そしてこの『自然生』が、秋に葉の付け根の部分に養分を貯えてできる小さな球状の『零余子』むかごがあります。
旬は11月〜2月、収穫してすこし時間をおいたものの方が、水分がある程度抜けて粘りが強く、灰汁も少なく糖質も増えて美味しくなります。
山芋は良質の植物性タンパク質やでんぷん、食物繊維、カリウムなどが豊富です。豊富なでんぷん消化酵素のアミラーゼは、御飯などのでんぷんを強力に消化してくれるため、胃腸にやさしく栄養の吸収を助けます。しかしアミラーゼは熱に弱い酵素ですので、あまり加熱しすぎないようにしましょう。その他ムチンという糖タンパク質のネバネバの成分は、胃壁の粘膜を保護し、たんぱく質の消化吸収を促進します。山芋には大腸ガンや便秘や糖尿病の予防、高血圧予防、消化促進、滋養強壮などの作用があります。
保存は、新聞紙に包んで、凍らせないように気を付けて冷暗所で保存することで、冬場は2ヶ月保存できます。また、切ったものは、切り口をラップで包み、冷蔵庫の野菜室で保存します。すりおろしてから棒状にして冷凍すると、必要な量を折って使えて便利です。こうして冷凍した場合には一ヶ月程もちます。
子供の頃山芋を食べた時に、口のまわりが痒くなることがありましたが、山芋の皮の付近にあるシュウ酸カルシウムの鋭利な結晶が手や口などにささってかゆみを感じるようです。この場合、皮をむいたら酢水につけてシュウ酸カルシウムを溶かしてから料理するとかゆくなることはありません。また、かゆみがおこったときには、酢水で洗うとおさまります。私も大人になって面の皮が厚くなって痒くなることもなくなってしまったようですが。
それから山芋をするときには変色防止に、金属の卸金は使わない方がいいでしょう。また、すり鉢ですりおろすことで、一層なめらかになり、消化酵素のアミラーゼの働きも促進されます。