==佃煮==
炊きたての白い御飯に昆布の佃煮をのせて、はふはふ言いながらいただくという幸せは、外国人には判らないかもしれません。
「佃煮」という名前は、江戸時代の『佃島』、現在の東京の中央区『佃』の地名が由来です。
当時、徳川家康と繋がりの深かった大阪の佃村の漁民が、江戸城の徳川家の御肴役として江戸に招かれ移り住み、江戸の海に自分達のための島を造りあげ「佃島」と名付けました。その佃島の漁民達は海が荒れて漁に出られない時のために、昔から伝わる方法で雑魚の醤油炊きを保存食として貯えていました。これが後に『佃煮』と呼ばれるようになったわけです。はじめは自分たちのために作っておいた佃煮も、次第に海老などの高級魚を材料に作るようになり、その頃江戸に上ってきていた大名達の口にも入るようになりました。その大名達の故郷への土産として扱われるようになって、次第に日本中に知れ渡ることとなりました。
このように最初は漁民の食べ物であった佃煮が高級品として扱われるようになり、そして後に明治時代、日清戦争が始まった頃には、保存の利く軍用食として大量生産されるようになりました。終戦後家庭に戻った兵士達にとっては佃煮の味は馴染みの味であり、一般家庭にも急速に広まって、貝、海老、海苔、昆布など佃煮の種類も
とても豊富になりました。佃煮にも意外な歴史があるのですね。
==油揚げ==
==油揚げ==
「きつねうどん」というと油揚げですね。また、お稲荷様の祠には油揚げをお供えしますが、お稲荷様に飾られる1対の「きつね」の置物からお稲荷様はきつねだと思われている方も多いことと思います。しかし調べてみますと、お稲荷様は田んぼの稲の神様で、日本人の主食であるお米の生育を司る女神様のようです。
あのきつねはその女神様のお供の動物ということです。ではなぜお稲荷様に油揚げをお供えするのか。なぜでしょうね?知りたい方は・調べてください!
さて、油揚げの作り方ですが、原料はお豆腐です。お豆腐を1cmから1.5cmくらいの厚みにスライスして、切った豆腐をはがして並べ、重しをかけるなどして充分に脱水します。揚げは、先ず130度位の温度の油で5分ほど揚げることで豆腐を膨らまし、膨らみきったところで160度くらいの油で揚げて縮みを防ぎます。油揚げを素人が揚げるのは難しいことと思いますが、チャレンジされたら楽しそうですね。
==カカオ==
==カカオ==
先日お休みに出掛けた際、チョコレートの泉のようなものを見かけ、驚きました。もちろん自然に湧き出ているチョコレートの泉ではなくて、そう言う仕掛けの機械なのですが、なんだか面白過ぎますね〜!止めどなく湧き流れ落ちるチョコレートにお好みの果物
を串に差して潜らせていただくという、夢のような現実です。
そんな夢見るチョコレートの原材料がカカオです。カカオの学名は『テオブロマカカオ』と言われ、ギリシャ語で『神様の食べ物カカオ』という意味だそうです。
原産地は中南米熱帯地方。古代より原住民によって栽培されていたようです。後にコロンブスのアメリカ大陸発見の後、スペインのコルテスが帰国時にカカオ豆を持ち帰り、皇帝に献上されたことでヨーロッパに渡りました。当時は加工してスペインの上流社会の飲料とされた高級食品でしたが、その後フランスやイタリアなどヨーロッパ各地に広まりました。日本では明治時代初期に風月堂がチョコレートの製造をはじめ、大正時代に入って外国よりチョコレート製造機械が輸入されてから、森永製菓・明治製菓など各メーカーが大規模にチョコレート製造を開始しました。現在ではカカオ豆の生産は西アフリカのコートジボアールが全生産量の4割を占め、その他インドネシア、ガーナ、ナイジェリア、ブラジルなどがその主要生産国となっています。
カカオ豆は、カカオポッドと言われる直径20cmくらいのフットボール形の実の中に40粒位が含まれています。このカカオポッドを収穫して中のカカオ豆を取り出し、その豆にバナナの葉を被せて、そのまま3日ほど放置して発酵させた後、天日乾燥して出荷されます。このカカオ豆を焙煎・粉砕・磨り潰しなどすることでカカオマスが作られます。このカカオマスからチョコレートやココアが作られるわけです。
カカオ豆には赤ワインよりもはるかに多くのポリフェノールが含まれており、動脈硬化予防、がん予防、アレルギーやリウマチ予防、細菌の感染予防、虫歯予防などの様々な効果が期待できます。また、カカオ豆に含まれる「テオブロミン」という物質には、「カフェイン」と似た強心作用、利尿作用があり、カフェインよりも穏やかな中枢神経興奮作用もあり、集中力や記憶力の増強や抗ストレス作用などの効果が認められています。その他カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などのミネラル成分も豊富で、健康にとてもよい食品です。