==南瓜(かぼちゃ)==
かぼちゃの原産地は中南米。コロンブスにアメリカ大陸が発見されるよりも遥か昔、紀元前6000年頃から食べられていたようです。
かぼちゃは大きく分けて3つ、先ずは日本かぼちゃ。16世紀半ばにカンボジアからやってきたかぼちゃです。だから「カボチャ」なんですね。日本の各地でその土地独特の在来種が生まれました。きめ細かくねっとりしていて水分が多く煮崩れしにくいかぼちゃです。代表的な品種には黒皮・会津・鹿ヶ谷・菊座などがあります。
江戸末期になって入ってきたのが西洋かぼちゃ。栗のようにほくほくしていて甘みが強いのが特徴です。現在その生産量は日本かぼちゃを抜いており、全国的に栽培されています。代表的な品種にはえびす・みやこ・芳香青皮甘栗・黒皮甘栗・デリシャスなどがあります。
そして名前もかわいらしいペポかぼちゃ。そのユニークな形や色を生かして、主に鑑賞用として用いられますが、ズッキーニやそうめんかぼちゃなどのように食用としても用いられます。
かぼちゃの収穫は夏に行われますが、貯蔵がきくために、収穫後しばらく置くことでデンプン質が糖分に分解されて熟し、更に甘くおいしくなります。熟した後は低温で保存することで2ヶ月間くらいもちます。また最近では、ニュージーランドやメキシコなどからの輸入品も増加しており、1年中おいしいかぼちゃが手に入るようになりました。
昔から、冬至の日にかぼちゃを食べると、かぜをひかないなどと言われてきましたが、そういう言い伝えに頷けるほどの栄養が、かぼちゃにはたっぷり詰まっています。かぼちゃに含まれるビタミンEは、更年期障害や血行不良を改善し、その抗酸化作用によって老化防止の効果もあります。
そして豊富なβカロチンは、体内でビタミンAに変わり、免疫力を強化し、がんや様々なウイルスから体を守ってくれます。
かぼちゃのβカロチンは皮やワタの部分に多く含まれていますのでできるだけ食べるようにしましょう。他にもビタミンC・B、良質な植物性タンパク質やコバルトやカリウムなど各種ミネラルや食物繊維などを含んでいて、便秘の解消や糖尿病の予防、高血圧にも効果的です。また、かぼちゃの種もたんぱく質やミネラル分が豊富で、洗って乾かしたものを炒って食べたり、絞って油として用いられてもいます。
選ぶときにはずっしり重くて皮が硬く色の濃いもので、ヘタが乾燥してひび割れているものが熟していて良いでしょう。
保存するときには、切ってあるものはラップにピッチリ包んで冷蔵庫に、丸々1個の場合はそのまま冷暗所に保存するとよいでしょう。また、硬いかぼちゃを切るときには電子レンジなどで少し加熱した後に切ると切りやすくなります。