安さと用途が広く使い易さが魅力のもやしです。季節を問わずいつでも手に入る便利なお野菜ですね。
古くは平安時代から、食べられてきたもやしですが、今日のような大量生産が始まったのは、意外なことに1970年代の『もやしたっぷり味噌ラーメン』のブーム辺りからだということです。又、もやしの小袋包装での販売や冷蔵物流の発達ももやしの大規模生産のきっかけとなりました。
もやしの原材料となる豆は、大きく分けて3種類。色白で太く、みずみずしくてくせがないのでいろいろと使える『緑豆』、細長くて甘味が豊かな『ブラックマッペ』、たんぱく質が豊富で歯ごたえのいい『大豆』などがあります。以前はもやしといえば『大豆もやし』と決まっていましたが、原材料の豆が安くて味にクセのない緑豆やブラックマッペが現在では主流となっているようです。
これらのもやしは水だけを使って栽培され、天候の影響を受けないために安定した生産が可能です。それがもやしの安さの秘密でもあるようです。元祖スプラウト野菜のもやしですが、見かけによらず栄養面でも優れています。もやしのもととなる種に蓄えられたデンプン・脂肪・タンパク質などに加えて、発芽によってビタミンC、アスパラギン酸などの栄養素が合成されて一気に増大するのです。その他にもカリウム、ビタミンA、植物繊維などもとても豊富なお野菜です。
保存するときはもやしの袋につまようじで数カ所穴を開けてから冷蔵庫で保存することで、もやしが呼吸できる様になって長持ちします。