==人参==
セリ科ニンジン属の植物です。
原産地はアフガニスタン山岳地帯。日本には中国から伝わり、江戸時代に広まったようです。
最初は「胡蘿蔔:コロッボー」と呼ばれていたようですが、日本で古くから薬用として用いられていた「朝鮮人参」と似ていたのでその後「人参」と呼ばれるようになったそうです。ちなみに「人参」とは、人に似たものという意味だそうです。
にんじんはアジア型とヨーロッパ型に大きく分かれます。
アジア型は形が長くてトマトと同じリコピンを多く含むために赤色が強く、柔らかいのが特徴です。長さも60cm以上もある「滝野川大長」や一般に「京にんじん」と呼ばれ長さは30cm程になる「金時」、沖縄特産の「琉球にんじん」などがあります。一方、現在出回っているもののほとんどがヨーロッパ型です。甘くてもカロチンが豊富で栽培しやすいのが特徴です。長さが15cm程の「五寸にんじん」、長さが60cm以上にもなる「国分大長」、香りが少なくずん胴型の「ナンテス」、長さ7cm位の「ミニキャロット」などがあります。人参はカロチンがとても豊富です。このカロチンは油に溶ける脂溶性ビタミンで、油で炒めたり、ドレッシングをかけるなど油と一緒に取ることで吸収率が高くなります。その他、食物繊維、ビタミンB・C、鉄分やカリウム、カルシウムなどのミネラルや食物繊維も多く含みます。又、人参の葉にはビタミンA、タンパク質、カルシウム、脂質、鉄分、ビタミンCなどが豊富に含まれています。
生のにんじんにはアスコルビナーゼというビタミンCを破壊する酵素が入っているので、その酵素の働きを押さえるためにゆでたり、炒めたりして熱を加えるか、酢と合わせると良いそうです。しかし酢を加えぎるとカロチンを破壊するので注意しましょう。免疫力や抵抗力を高めるカロチンは皮の付近に多く含まれていますから、包丁の刃を立ててガリガリするなどして、薄く皮をむく事が大切です。
旬は11月〜12月ですが、季節に応じて様々な品種が出回ります。選ぶポイントは色が濃くあざやかなものを選びましょう。又、切り落とした茎の部分が細いもの、茎の周囲が青かったり黒ずんでいないものがよいでしょう。