==カカオ==
先日お休みに出掛けた際、チョコレートの泉のようなものを見かけ、驚きました。もちろん自然に湧き出ているチョコレートの泉ではなくて、そう言う仕掛けの機械なのですが、なんだか面白過ぎますね〜!止めどなく湧き流れ落ちるチョコレートにお好みの果物
を串に差して潜らせていただくという、夢のような現実です。
そんな夢見るチョコレートの原材料がカカオです。カカオの学名は『テオブロマカカオ』と言われ、ギリシャ語で『神様の食べ物カカオ』という意味だそうです。
原産地は中南米熱帯地方。古代より原住民によって栽培されていたようです。後にコロンブスのアメリカ大陸発見の後、スペインのコルテスが帰国時にカカオ豆を持ち帰り、皇帝に献上されたことでヨーロッパに渡りました。当時は加工してスペインの上流社会の飲料とされた高級食品でしたが、その後フランスやイタリアなどヨーロッパ各地に広まりました。日本では明治時代初期に風月堂がチョコレートの製造をはじめ、大正時代に入って外国よりチョコレート製造機械が輸入されてから、森永製菓・明治製菓など各メーカーが大規模にチョコレート製造を開始しました。現在ではカカオ豆の生産は西アフリカのコートジボアールが全生産量の4割を占め、その他インドネシア、ガーナ、ナイジェリア、ブラジルなどがその主要生産国となっています。
カカオ豆は、カカオポッドと言われる直径20cmくらいのフットボール形の実の中に40粒位が含まれています。このカカオポッドを収穫して中のカカオ豆を取り出し、その豆にバナナの葉を被せて、そのまま3日ほど放置して発酵させた後、天日乾燥して出荷されます。このカカオ豆を焙煎・粉砕・磨り潰しなどすることでカカオマスが作られます。このカカオマスからチョコレートやココアが作られるわけです。
カカオ豆には赤ワインよりもはるかに多くのポリフェノールが含まれており、動脈硬化予防、がん予防、アレルギーやリウマチ予防、細菌の感染予防、虫歯予防などの様々な効果が期待できます。また、カカオ豆に含まれる「テオブロミン」という物質には、「カフェイン」と似た強心作用、利尿作用があり、カフェインよりも穏やかな中枢神経興奮作用もあり、集中力や記憶力の増強や抗ストレス作用などの効果が認められています。その他カルシウム・マグネシウム・鉄・亜鉛などのミネラル成分も豊富で、健康にとてもよい食品です。