==バナナ==
昔、南米の島に旅行した際、バナナを素揚げにしたものが毎日食卓に出されました。バナナを素揚げにする習慣は日本にはありませんので、最初は抵抗があったのですが、慣れればなかなか美味しいもので、そのうちに二、三本はペロリと食べられる様になりました。しかしそのバナナは生では硬い芋のような感じでしたので、きっと
そういう品種のバナナなんでしょう。
バナナはバショウ科・バショウ属の植物で世界各地の亜熱帯を中心に栽培されていて、原産地はマレー半島なのですが、バナナ栽培の歴史は紀元前5000年以上前にさかのぼり、元々種が詰まった原種に、偶然種無しが出現し、それに改良を重ねてきたものです。現在では300種以上あるといわれています。
日本には明治時代に台湾より輸入されるようになり、和名は「実芭蕉」といいます。 熟すると黄色になり柔らかく甘くなりますが、赤や紫になるものもあります。また、かたくて渋みのある品種は料理用に利用され、アフリカや東南アジア、南米などで栽培されているバナナの大半は、蒸したり茹でたり油で揚げたりして食べる料理
用のバナナです。バナナは日本では沖縄で作られておりますが、市場に出回るほとんどがフィリピン、エクアドル、台湾などからの輸入物です。青いまま輸入されたバナナは、温度管理によって熟成され黄色く色づき熟した頃市場に出荷されます。それは、熟したバナナには寄生する「ミカンコミバエ」などの害虫は、青いバナナには寄生しないため、熟したバナナの輸入は禁止されているからです。
日本では生で食べられるポピュラーなジャイアントキャベンディッシュ、北蕉、仙人蕉、小柄で甘くやわらかいモンキーバナナ、色が赤みがかった色のモラードなどが流通しています。
栄養面では炭水化物を多く含み、他と比べて断然高エネルギーの果物です。タンパク質、カルシウム、カロチン、繊維質なども豊富で、ビタミンAは抜群です。バナナに多く含まれているカリウムは、筋肉の活動に欠かせないミネラル分で、筋肉のけいれんを防ぐ効果があるためスポーツ中にとる食品としても適しています。またバナナは抗酸化力が非常に高い食品です。
亜熱帯の植物ですので、低温には弱く、室温で保存するようにします。 食べ頃は表面に茶色い点が出てくる時で、この斑点は「シュガースポット」と呼ばれます。