==茄子==
茄子の安い、美味しい季節になってまいりました。焼いたり、煮たり、揚げたり、漬けたりといろんな味付けでいただける、用途の広い便利なお野菜ですね。余談ですが、私、茄子大大大好きです。
1年中出回っているお野菜ですが、本来は7〜10月が旬のお野菜です。又、秋に出回る「秋なす」は、皮が薄くて柔らかくて、実がしまっていておいしいものです。しかし、茄子には体を冷やす作用があるために、お嫁さんの体を気遣って、「秋茄子は嫁に食わすな」と言われています。もう少し優しい言葉で「秋茄子はお嫁には禁物」とか言えば、変な誤解はないと思いますが…
原産地はインド。ヨーロッパへ、そしてアジアへと、世界中に「なす」はひろまりました。その淡白なあじわいのおかげで、各国の様々な味付けにもなじみやすかったのでしょうね。日本へは奈良時代に、中国から伝わったそうで、もう千年以上の歴史があるお野菜です。「なす」という名前の由来は、実際に育てて見るとわかりますが、茄子は成長がとても早く、早く実をつけることから、「早く成す」〜「成す」〜「なす」となったといわれています。そんなことから縁起の良いお野菜としても認められていますね。
茄子の種類はとても豊富です。長さが25cm位ある長なす・水分が多く、浅漬けすると美味しい水なす・丸なす(加茂なす)・ヘタの色が緑色の米なす・小振りな可愛らしい小なす・変わったところで、ナスの色素がほとんどない緑色の青なすなどがあります。
又、なすは切り口がすぐに茶色く変色してしまいますから、切ったらすぐにお水に、又は塩水につけておきましょう。
茄子の皮には、アントシアニン系色素でポリフェノールの一種である「ナスニン」という色素が含まれています。この「ナスニン」は、強力な抗酸化作用があり、コレステロール値を下げることから、動脈硬化の予防にも良いそうです。
茄子の皮の色は90度以下の温度で変色するので、一気に高温で調理したほうが、あざやかな紫色がでます。ですから、油で揚げるときにも、皮を下にして油に入れてください。又、煮物にする時にも一旦熱い油を通してから煮ることで、色あいを保てます。また、漬物にするときには、鉄釘などを一緒に漬けることで、鉄イオンの効果で綺麗な色に漬け上がります。
栄養面では、90%以上が水分ですが、その他にもビタミンB・C、カルシウム、鉄分、カリウム、食物繊維なども含んでいます。
また、茄子のへたの黒焼きは、昔から鎮痛や消炎などの効果が認められており、それを塗ることで歯槽膿漏や口内炎の治療にも使われるそうです。
茄子を選ぶポイントは、色が濃く表面に張りがあり艶が良くて、ヘタがチクチクと痛いくらいのもの良いでしょ
う。茄子は水分が蒸発しやすいので、冷蔵庫に保存するときは、ラップに包むかビニール袋に入れておきます。