三島暦が生まれたのは、今から1200年以上昔の奈良時代のことと思われます。当時の暦は月の満ち欠けをもとに作られる太陰暦で、農業にとってはとても大切なものでした。
江戸時代初期には、徳川幕府によって公式の暦とされ、関東・東海地方に広く使われていたそうです。
安土桃山時代に豊臣秀吉が朝鮮に攻め込んだ際、茶道の趣味のあった秀吉が、日本に連れて来た朝鮮の陶工の作る茶碗の象嵌細工(表面に細かく模様を彫って白い化粧土を刷毛で塗ったもの)の模様が、三島暦に似ているということから、そうした模様を三島手又は三島紋と名付け、専ら茶人の間で広まっていったようです。